木のおもちゃは高価!なのは仕方がないんです。でも長期的に考えると割安?!

コロナ禍以後、昨年から木のおもちゃも例外なく、値上がりしています。

将棋の藤井翔太棋士が幼少期に遊んだということで一時品薄になった「キュボロ」も、値上がりしました。私も大好きな、ネフ社の積み木も値上がりしました。ネフ社のダイアモンド・くるみにいたっては、8万円を超えました。
一般的に木のおもちゃは値段が高くなります。「木のおもちゃ」はなぜ高くなってしまうのでしょうか。

例えば、ブロックと積み木を比べた場合、同じ数と大きさなら木のおもちゃはプラスチックに比べて2~3倍以上高くなります。でも、材料費や加工費で考えた場合、10倍以上高くてもおかしくないと考えます。

プラスチックのおもちゃは、材料が石油です。それを型枠に流し込んで作りますから材料も仕上がりも均一でロスが出ません、できあがったパーツの特別な仕上げ加工も必要ないでしょう。だから、完全に機械化でき大量生産が可能です。また、材料の輸送コストも液体なので効率的な分、安くなります。

それに対し、木のおもちゃは切り出した材木を3年ほど、自然乾燥させます。同じ木でも部位によって違いが出るので、材料のロスも仕上がりのロスも出てしまいます。さらに、仕上げのチェックや加工には人の手が必要になります。そうなると完全な機械化は難しい上に、材料の輸送や保管にもコストがかかるのです。さらに、塗料で染色する工程も加わります。木の樹肌を生かした彩色の場合、塗料を塗るのではなく、染料につけてしみ込ませることになります。そうなると、繰り返し、染料につけてしみ込ませてになるのです。かなりの手間です。

ならば、商品価格の違いは3倍ではすまないはずなのです。では、なぜ3倍程度ですんでいるのでしょうか?

2つの理由が考えられます。

1.
プラスチックのおもちゃは、開発費、ライセンス料、広告宣伝費、間接人件費が莫大にかかる
2.木のおもちゃは、高すぎると売れないので値段を抑えている
プラスチックのおもちゃの多くは流行モノです。だから、商品の寿命が短くなるため、毎年開発費がかかります。さらに、キャラクターのライセンス料、宣伝費、大企業であるため人件費もかかります。だから、おもちゃの材料費と加工費は安くても売価はそれなりになるわけです。

それに対して、木のおもちゃの場合、長期間同じ商品で、TVで宣伝もキャラクターも使用していません。だから、開発費もライセンスも広告宣伝費もかかりません。小規模の会社で流通先も決まっているので間接人件費も抑えられます。さらに、金額が高すぎると売れないので利益率を抑えているわけです。
 
その証拠は商品の値引率に表れています。おもちゃ屋に行くと分かりますが「木のおもちゃ」は値引率が低いです。ほとんどが定価で販売されています。プラスチックのおもちゃは、2~3割引が普通です。それだけ原価が安いのです。
 
もちろん、おもちゃで一番大切なのは「長く楽しく遊べること」ですので、金額的な「お得感」は関係ないかもしれません。しかし、「木のおもちゃ」が割高だと言われることについては、実はプラスチックのおもちゃが割高で「木のおもちゃ」が割安とも言えるのです。
 
 
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