おもちゃのマーク、CE、シュピールグート、STマークの違い

おもちゃを選ぶうえで、参考になる、マークのお話です。品質や安全性など、一定の基準を満たしていることを証明するマークですが、いくつか種類があります。

 

●CEマーク●

CEマークを表示した製品は、EU加盟国共通の安全基準である EN をクリアしていることを示します。この表示によって、ヨーロッパのEU加盟国間での製品の流通がスムーズになっているそうです。
おもちゃに関する安全基準は EN71 ですが、その安全要求に合致した場合にのみ、製造者はCEマークを製品につけることが許されます。

CEとは仏語で、CommunauteEuropeenne(欧州共同体)の頭文字を取っています。形、大きさ、強度、塗料などについての厳しい検査項目が設けられています。

形状 球体の直径 ヒモの長さと直径
強度 接着剤接続部分・牽引に対するヒモの強度
塗料 溶解度不燃性仕上げのラッカーの成分など*

*塗料については、日本に輸入される段階で、食品衛生法に基づく食品添加物の安全試験が厚生省より義務づけられています。この試験では塗料の溶出の有無が色ごとに検査されます。厳しいCEの検査をパスしている商品は実績が認められ、毎回の検査が免除され抜き打ちで行われています。

「木のおもちゃつみきの森」で扱っている輸入玩具には、原則的にCEマークがついています。
つまりヨーロッパのレベルに準じた安全基準をクリアしています。

・CEマークの目的
CEマークの目的は、EU域内で国ごとにバラバラに存在していた安全規制を統合し、安全が保証された製品の流通を円滑にすることにあります。 従来は国ごとに安全規定の範囲やレベルが違っていたため、メーカーは輸出先によって製品仕様を修正しなければなりませんでした。このことは長年メーカーの負担になってきたと同時に、EU統一市場のメリットを生かしきれないことにもなっていました。そこで、欧州連合委員会は機械・医療品・おもちゃ等、製品カテゴリー別に域内各国の安全規程を調整し、一本化させるようにしています。

●シュピールグート(spiel gut)
spiel gutは別名、「オレンジマーク」。ドイツの「子供の遊びと玩具審議会」が良い玩具として推奨するものだけに貼ることを許可したマークです。
 
シュピールグートとは、ドイツ語で「良いあそび」という意味で、このオレンジマ-クはドイツの「子供の遊びと玩具」審議会が推奨するものだけに貼ることが許可されています。
 
・評価項目:
子供の年齢と発育段階、想像力、周囲の世界の体験、遊びのバリエーション(多様性)、素材と加工、デザイン・形と色、大きさと重さ、数と量、構造と仕掛け、安全性、環境へのアセスメント、価格
 
・試験法~試験の過程(シュピールグートHPより)
 1. 約500点の試験に値する製品の選定(予選 - 毎年開かれる世界最大のニュールンベルク国際玩具見本市はとくに重要です)。生産者からの問い合せについても応じます。
 
2. 家庭あるいは施設において、子供たちがテストします。書面による報告がなされます。
 
3. 審査員会議(学際的に試験報告に基づいて)において、「良い玩具」についての議論、決定がなされます。認定、拒否、改善案、あるいは試験の繰り返しなどについて議事録が作成されます。
 
4. 「spiel gut」証書あるいは拒否の理由が生産者もしくはデザイナーに送られます。
 
経験豊かな専門家たちによる事前の選定にもかかわらず、テストされた玩具のうち「spielgut」の認定を受けることができるのは半分だけです。
 
ここにすべての基準を記すとものすごい量になってしまいますので、詳しくはシュピールグートのHPをご覧ください。 https://www.spielgut.jp/blank-3
 
・シュピールグートの目的
シュピールグート選定の審議会は、1950年頃「子どもたちに与えたい良い玩具がない」という素朴な疑問をきっかけに設立されました。当時のドイツは戦後の経済復興の最中で、玩具の工業化が盛んになり、多くの玩具が出回りました。その多くは、玩具自体が自動的に動き、子供が決められた事しかできないものであったため、その影響が心配されました。

こういった玩具の氾濫に対してひとつのグル-プが結成され、これが現在の審議会の始まりとなっています。
 
この審議会のメンバーは、玩具業界と利害関係のない約40名(心理学者、建築家、医者、哲学者、デザイナーなどさまざまな分野の専門家)で構成され、名誉職としての誇りを持っています。
上記の「評価項目」「試験の過程」をみても分かるように、その選定基準は大変厳しいものです。
「遊びで得られる達成感」や「遊び方のバリエーション」というところにまでこだわり、その基準を満たさないものは選ばないという徹底ぶりはすごいものです。おもちゃが子どもの成長に及ぼす影響を考え、子どもの創造性を大切にしようという姿勢はすばらしいものです。
 
しかし、その基準が厳しすぎて、良いおもちゃでも推奨されないこともあります。
「木のおもちゃつみきの森」では、シュピールグートに推奨されているおもちゃも数多く扱っていますが、それにこだわらず、良いおもちゃをお薦めしたいと考えています。
なお、当店で扱う、アトリエ・ニキティキの乳児及び幼児向け玩具のほとんどは、この審議会の推奨を受けていますが、現地でシールを商品に添付するか否かはメーカーの判断に任されています。メーカーが商品にシールを添付したいときは、審議会から有料でシールを求めなければなりません。審議会はその収益を運営費の一部としています。

●STマーク●
STマークとはSafety Toy(安全なおもちゃ)の略で、食品衛生法・電気用品取締法などに基づいて、(社)日本玩具協会が玩具の安全基準を定め、これに合格した製品につけるマークです。万一の事故に対しては、共済制度が設けられており、補償が受けられます。       
(お問い合わせは(社)日本玩具協会 03-3841-1295)
おもちゃは楽しく、おもしろく、丈夫で、安全であり、しかも心身の成長に役立つものでなければなりません。中でも一番重要なのは、安全であることです。そこで玩具業界では、官庁や学識経験者、さらに消費者代表とも協議の上、昭和46年に「おもちゃの安全基準」を制定しました。

この基準は欧米先進国にも例がないほど厳しいもので、これに合格したおもちゃには「ST(セーフティ・トイ=安全玩具)マーク」をつけることになっています。「STマーク」のついているおもちゃは、「注意深く作られた安全に使用できるおもちゃ」と業界が太鼓判を押したものなのです。
・検査の内容
機械的および物理的特性の検査:
14才までの子どもが遊ぶおもちゃを作るときに安全性のため必ず配慮しなければならない試験項目があります。この項目では、おもちゃの形状や強度に関する検査をします。

可燃性の検査:
表面がパイル地または布で作られているやわらかいぬいぐるみやおもちゃのテント・家、その他子どもが身につけるものについて、使用してはいけない材料(セルロイド等)ではないか、また燃えやすいおもちゃではないかを調べます。

化学的特性の検査:
おもちゃの材料に有害な物質が使われていないかを調べる検査です。厚生労働省が定める食品衛生法の他、EN71(ヨーロッパで行われている玩具の安全検査)なども検査項目として取り入れています。
*STマークは日本の安全基準です。当店の玩具で日本のメーカーが生産しているものには、このSTマークがついているものが多いです。
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