この時期になると、様々な能力が発達するので複雑な動作が可能になり、コミュニケーションも感情表現もかなり豊かになってきます。
おもちゃは何を与えても大丈夫です。個人差はありますが積み木もごっこ遊びも本格的になり、遊びが深まり、発展させていきます。
2歳児同士の遊びは、一緒にいるがそれぞれが勝手に遊んでいると前述しましたが、
この時期(3歳ごろから)になるとコミュニケーションを取りながら、それなりの遊びを展開してくれます。
親が手伝ってあげれば、おもちゃのお片づけもできるので「お片づけを遊びとして楽しむ」ようにするとよいでしょう。
おもちゃ選びは、本人の意思も確認できるようになるので選びやすくなります。
しかし、この時期に犯す失敗は、子どもの意思を尊重したおもちゃを買い与えることで、子どもがすぐに飽きてしまうことでもあります。
例えば、流行モノのおもちゃ、キャラクターのおもちゃです。
おもちゃ屋に行って子どもに「どれがいい?」と聞くと大抵、箱の写真が見映えするキャラクターのプラスチックのおもちゃを選びます。
特に、クリスマスの時期などはTVやチラシでおもちゃの情報が入ってきます。
子どももそれが分かるようになる年齢なので、夢を膨らませてしまいます。
それで、ついつい欲しがるおもちゃを買ってあげたくなるのが親心です。私も長女のときはそうでしたが…。
一見、その手のおもちゃは派手で魅力的に見えます。
実際に手にすると子どもは大喜びです。その時は親としても嬉しいです。
ところが、しばらくすると遊ぶ頻度は少なくなり、数ヶ月すると全く遊ばなくなってしまうことがよくあります。
それに対し、木のおもちゃはTVコマーシャルもなく、一見地味です。
子どもに与えた時には子どもはあまり喜ばなかったりすることもあるようです。
ところが、結果的にはよく遊ぶようになります。それも長期的に。
その理由は、遊び方が決まっていない、自分で自由に広げていける、ということでしょう。
例えば、汽車レールのおもちゃの場合、木のおもちゃならば動力がないので、線路を上手くつなげられなくても手で動かして遊べます。
しかし、電動ではそうはいきません。キチンと線路をつないで一周しないと具合が悪いわけです。
3歳児がそういう組み立てを考えるのはできませんし、線路パーツが少なければパターンは限定されます。
つまり、親が組み立ててあげて電車を走らせたら、子どもはそれを見ているだけになってしまうのです。
でも、実際にはそうはならずに、子どもは電動でも無理やり、自分で動かそうとしますが・・。
そうなんです。子どもは主体となって、主人公になって物語を展開したいのです。
だから、遊び方が限定されない、自由に広げられるおもちゃを選んだほうが遊べるのです。
子どもが欲しがるおもちゃが「よいおもちゃ」とは限りません。親としては意思を持って与えたいものです。

・選ぶポイント
遊びを広げられる、遊び方が限定されないおもちゃ
ルール・仕組みが簡単なおもちゃ
動力(電動)がついていないおもちゃ
片づけがしやすい・楽しいおもちゃ
お友だちと遊びやすいおもちゃ
代表的なおもちゃは…
積み木、ブロック、簡単なレール、簡単なパターン遊び、簡単なパズル、簡単なゲーム、
ままごと・ごっこ遊び、ドールハウス、ひも通しのおもちゃなど
やたらに「簡単な」をつけてしまいましたが、「簡単な」がポイントです。難しいと楽しくなくなって遊ばなくなってしまいます。
後で遊ぶかというとそうでもないのです。
例えば、
難しいパズル→できない→達成感がない→褒められない→つまらない→パズルは嫌い
そうすると「パズルは嫌い」なので後になっても遊ばないおもちゃになることが多いのです。
それならば、簡単なおもちゃで達成感や自信をつけさせ、それから徐々に難しくしていったほうがよいのです。