積み木を高く積むことだけが積み木遊びではありませんが、
積み木を高く積めるかどうかは基尺にかかっています。
積み木選びのポイントには「基尺」の他に「精度」「形」「色」「面取り」「量」がありますが、
この基尺が最も重要といえます。
「基尺って何?」
一般的には馴染みのない言葉なのでそう思う方もいるでしょう。
基尺(きしゃく)とは、その積み木の基本となるサイズのことです。
一般的には積み木セットの一番小さい立方体の1辺の長さを指します。
たとえば、セットの中の一番小さい立方体のサイズが、4×4×4 なら、
その積み木セットの基尺は、「4センチ」となります。
この考え方は幼児教育の祖といわれるフレーベルが、
子どもは必然的な順序にしたがって発達するべきで、
遊びの中で、興味をもったものを正しく理解し、自由に表現させていくためには、
形や、色や数のことを正しく認識させなければならないと考え、作り出したといわれています。
そんな難しい話は置いておきまして、積み木の基尺はメーカーによってバラバラです。
2.5センチ、3センチ、3.3センチ、3.5センチ、4センチ、
4.5センチ、5センチ、7センチ
と私が知っているだけでも9種類あります。
立方体の一辺が3センチなら3センチ基尺、4センチなら4センチ基尺と呼びます。
4センチ基尺の積み木で詳しく見てみましょう。
4センチ基尺の立方体は4×4×4、直方体は4×2×8、四角柱(2倍)4×4×8となり、
どんな積み方をしても最終的には高さが揃うことになります。
我が家には、もともとKAWAI、ハバ、あとよくわからないメーカーのものと
3種類の積み木がありました。
それぞれの基尺が揃っていないので一緒に遊ぶことはできなかったのです。
基尺がバラバラですと、きっちり積んでいっても微妙にずれが生じ、
その結果高く広く積むことが難しいです。
また端や高さがそろわないと組み合わせて遊ぶのも難しくなります。
ですから、積み木を選ぶときは基尺を揃えるのがよいのです。
では、「結論として何センチ基尺の積み木を揃えればいいの?」となります。
人それぞれお考えがあるので難しいところです。
昔は、4センチ基尺の積み木をおすすめしていました。
・大きすぎず小さすぎず。、机の上で遊べるし、床の上でも遊べる
・玉落としの、ハバ社クーゲルバーンやスカリーノ社スカリーノが4センチ基尺
・ヨーロッパの積み木には4センチ基尺が多い(ハバ、グリムス)
という理由からです。
でも、4.5センチ基尺が主の童具館も、ダイナミックな積み木遊びができるという理
由でお勧めしていました。
またスイス ネフ社の積み木は大人も夢中になるスーパーな積み木ですが、
5センチ基尺(または2.5センチ基尺)です。
近年、人気のバウシュピールは、5センチ基尺(2.5センチ基尺)や7センチ基尺です。
グリムス社の積み木にも、4センチ基尺にははまらない積み木もあります。
最近は、SNSやGoogle検索で、いろいろ調べてご来店する方がほとんどです。
一概に、4センチ基尺がいいですよ と
お勧めすることが難しくなりました。
大切なのは、積み木を買う保護者の方が、
お子さんがどの積み木でどのように遊んでほしいか です。
お子さんが気に入るか気に入らないかも大切ですが、
保護者の方の思い入れがあるとないとでは違います。
やはりお子さんと一緒に遊んでほしいのです。
そのうえで、せっかくご購入するなら、組み合わせて遊びやすい積み木たちを
選んでください。
ただ、白木の積み木セットは、基尺のそろったものを1セット、
ある程度の数量のものをそろえてください。
白木の積み木は万能選手ですから。
どれくらいの数?種類はどれくらい?
については後述します。