おもちゃの紹介18:シロフォン付き玉の塔はロングセラーおもちゃの代表格

「シロフォン付き玉の塔」はベック社の動きを楽しむ木のおもちゃ。保育園、幼稚園、子育て施設などでよくみかけます。ドイツ語の品名そのままの「クーゲルバーン」としても知られています。

カラフルな小さな玉が本体の木製スロープを転がり、最下段の鉄琴の階段を通るとき、「ソファミレド♪」 の美しい音色が響きます。この音と動きに、お子さんたちは夢中になり、繰り返し繰り返し、玉を落として遊びます。

付属の玉は、40個ほど。落とす玉の数や間合いを調整することによって響きや動きの違いが生まれます。匙加減によって生まれるその違いを楽しめることも、このおもちゃが繰り返し、繰り返し遊ばれる理由かと思います。

玉を1つずつ落としたときの、鉄琴のやさしくかろやかな音色は、大人にとっては癒しの音色になります。
動きを楽しむおもちゃの中には、電池などの動力でアクションを起こさせるおもちゃもあります。これらが出す音は、人工的な音、機械音など大きな音であることが多いです。

スロープや段差を利用する、アナログな木のおもちゃはどれも出てくる音が、軽やかでやさしい、うるさくないものがほとんどです。お子さんが遊ぶ様子を見ていると、「シロフォン付き玉の塔」で、玉が鉄琴の上を通り音がするそのとき、お子さんは玉の動きを見るだけでなく、音を聴くために動きをとめ、静かになり集中しています。

家でも街中でも音があふれているいま、お子さんが遊びの中で小さな音を聴くために
集中している様子をみると、なんだかうれしくなります。聞こえる音を聞くのではなく、聴きたい音を聴くために静かにすることを学んでいます。お子さんにとって、貴重な体験の一つだと思うからです。
 
「シロフォン付き玉の塔」は、人形や玉を上から落とすおもちゃを数多く世に送り出している、ドイツの老舗木製玩具メーカー、ベック社のロングセラー商品。1958年に売り出されて以来、世界中の子供たちの手に渡った数は10万個以上にのぼります。

あれ?と思う方も多いと思いますが、シロフォン=木琴で、鉄琴=メタルフォンです。本来なら、「メタルフォン付き玉の塔」が正しいはずです。

商品の名づけ親、アトリエニキティキは、ホームページで、「ネーミングの失敗」と題してコメントしています。以下、ホームページより引用です。https://www.nikitiki.co.jp/toymakers/20/index.html


「1978年、この玉の塔を初めて世に出すとき、《鉄琴付玉の塔》では響きがつまらないので、《シロフォン付玉の塔》と名付けました。シロフォンとは木琴の事なのに、その響きが可愛いので余り深く考えずにシロフォン付としたことを反省しています。このシロフォン付玉の塔は毎年ニキティキの売り上げ商品のベスト10に入る人気商品となり、発売後、かなりのスピードで多くの子どもの手に渡っていきました。思いがけない普及振りだったので途中での商品名の変更も不可能な状況でした。ニキティキでは、この失敗を教訓にして、新商品発売時のネーミングの大切さを考えています。」

確かに、「シロフォン付玉の塔」のほうが響きがいい気がします...。
ドイツ語の品名そのままの「クーゲルバーン」という別名でも市場にでています。
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